祖母に託された民族の教え“Gaya”を結束の歌“Batulan”に込め唄い、踊る台湾先住民アーティスト、東冬 侯溫(トントン・ホウウェン)
バトゥランとは粟を口の中で噛んで塊とする意。自らを「バトゥラン人」と呼ぶタロコの民は神話の時代から山林や大地と共生し、いくつもの智慧を分かち合い、受け継ぎ、口の中の粟のように噛み締め結束してきた。今、都会に住むタロコの末裔はこのタロコの規範・真理=Gaya を忘れかけている。祖母に託されたこのGayaを東冬侯溫は民族の言葉で語りかけ、歌い、緑の山々と人との最も近しい結びつきを呼び戻す。さあ聞こう「バトゥランの音」を。
収録曲
1. 回来跳舞吧(帰っておいで 踊ろう)
2. 力量的話語(言葉・力)
3. 初音(古の音)
4. 神聖時刻(神聖なとき)
5. 分享(分かち合い)
6. 懐念芋頭尞的歌(タロイモ小屋の歌)
7. 出獵(狩り)
8. 祈求(祈り)
9. 祖父的笛(じいちゃんの笛)
10. Ba-ri 的祝福(風の神の祝福)
11. 一定如此守護(大地を守る)
12. Bonus truck(日本盤のみ)來自聖山的聲音(聖なる山の声)
東冬侯溫 トントン・ホウウェン
「巴托嵐之音」(バトゥランの音)
MARUYOSHI-05 2500円+税 JANコード4580296240046
いただいたコメント
◉時代や場所を越えて、自らに伝わるスピリットを保持する人々がいる。
先祖たちの思考や感受性を、畏敬の念を持って継承しようとする人々。
自分がどこからやって来て、どこへ行こうとしているのかを問える人々。その答えをパフォーマンスできる人々。
それをこの眼で目撃したいと、僕は思うのだ。でもそれは、気張らずに楽しめるに違いない!
奈良美智(美術家)
◉山がうたっている。大地がうたっている。
伝統音楽は自然との結び付きが強いものだが、自然そのものがうたっていると
聞こえたのは覚えがない。人が音楽を演るのではない。
山が、島が、地球が人を楽器に音楽を奏でる。東冬侯温は最高の楽器だ。
おおしまゆたか(翻訳家)
◉東冬の唄を初めて聴いた時のショック。
東冬から発せられる音霊が天と地を結ぶ時、花綵列島から調和のエネルギーが放たれ、この星(地球)の浄化がはじまる。
そんなビジョンを見せられた。
小久保 隆(環境音楽家)